投資顧問の行政処分の一覧

202220202019201820172016201520142013201220112010

2022年

公表日 金融機関等名 処分の種類 主たる契機
4月12日 株式会社エーエムアイ 登録取消し、業務改善命令 無登録で外国投資証券の募集又は私募の取扱いを行っている状況

無登録業者に対する名義貸し

投資助言・代理業を的確に遂行するに足りる人的構成を有していない状況及び投資助言・代理業を的確に遂行するための必要な体制が整備されていない状況

2020年

公表日 金融機関等名 処分の種類 主たる契機
8月19日 株式会社FXプライムbyGMO 業務改善命令 著しく事実に相違する表示のある広告
6月23日 プログレスマインド 登録取消し、業務改善命令 無登録業者に対する名義貸し

不適切な業務運営

投資助言・代理業を適確に遂行するに足りる人的構成を有していない状況
4月23日 IGMフィナンシャルグループ 登録取消し、業務改善命令 金融商品取引契約の締結の勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為

金融商品取引契約の締結の勧誘に関して、重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為

投資助言・代理業を適確に遂行するに足りる人的構成を有していない状況等
3月18日 ディーティーシー 登録取消し、業務改善命令 投資助言・代理業を適確に遂行するに足りる人的構成が確保されていない状況及び投資助言・代理業を適確に遂行するための必要な体制が整備されていない状況

顧客取引を利用して実質的支配者らの利益を図る目的をもって行った正当な根拠を有しない助言行為

金融商品取引業者等の役員が、自己の職務上の地位を利用して、顧客の有価証券の売買その他の取引等に係る注文の動向その他職務上知り得た特別の情報に基づいて、有価証券の売買その他の取引等をする行為
著しく人を誤認させる表示のある広告をする行為
3月18日 トラフィックトレード 登録取消し、業務改善命令 投資助言・代理業を適確に遂行するに足りる人的構成が確保されていない状況及び投資助言・代理業を適確に遂行するための必要な体制が整備されていない状況

顧客取引を利用して実質的支配者の利益を図る目的をもって行った正当な根拠を有しない助言行為

金融商品取引業者等の役員が、自己の職務上の地位を利用して、顧客の有価証券の売買その他の取引等に係る注文の動向その他職務上知り得た特別の情報に基づいて、有価証券の売買その他の取引等をする行為
3月12日 フラム 業務停止命令、業務改善命令 著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為
3月12日 MLC investment 業務停止命令、業務改善命令 著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為

202220202019201820172016201520142013201220112010▲ ページの先頭に戻る

2019年

公表日 金融機関等名 処分の種類 主たる契機
12月13日 堀田勝己(トレードマスターラボ) 業務停止命令、業務改善命令 無登録業者に対する名義貸し
9月20日 スマートアセットマネジメント 登録取消し、業務改善命令 金融商品取引契約の締結の勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為

著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為

投資助言・代理業を適確に遂行するに足りる人的構成を有していない状況等
6月28日 東海投資助言サービス 登録取消し、業務改善命令 無登録業者に対する名義貸し

投資助言・代理業を適確に遂行するに足りる人的構成が確保されていない状況
3月25日 AAA投資顧問 業務停止命令、業務改善命令 金融商品取引契約の締結の勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為

金融商品取引契約の締結の勧誘に関して、重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為
3月25日 FIP投資顧問 業務停止命令、業務改善命令 金融商品取引契約の締結の勧誘に関して、重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為

前代表による会社資産の私的費消等

202220202019201820172016201520142013201220112010▲ ページの先頭に戻る

2018年

公表日 金融機関等名 処分の種類 主たる契機
11月13日 デルタインベストメント 登録取消し、業務改善命令 無登録業者に対する名義貸し

投資助言・代理業を適確に遂行するに足りる人的構成が確保されていない状況及び投資助言・代理業を適確に遂行するための必要な体制が整備されていない状況
5月30日 AKアドバイザーズ 登録取消し、業務改善命令 有価証券の売買について、作為的に値付けをすることとなる取引を行うことを内容とした助言をする行為、投資者保護上重大な問題のある業務運営(無登録業者への関与等)
5月30日 ヘッジファンドバンキング 業務停止命令、業務改善命令 有価証券の売買について、作為的に値付けをすることとなる取引を行うことを内容とした助言をする行為、投資者保護上問題のある業務運営
3月2日 グロースアドバイザーズ 業務改善命令 役職員が顧客取引を利用して自己の利益を図る目的をもって行う投資助言行為及び自己取引を防止する態勢が構築されていない状況

202220202019201820172016201520142013201220112010▲ ページの先頭に戻る

2017年

該当なし

2016年

公表日 金融機関等名 処分の種類 主たる契機
12月13日 AMオンライン 業務停止命令、業務改善命令 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為及び顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供し、金融商品取引契約の締結の勧誘をする行為等
12月2日 SQIジャパン 業務停止命令、業務改善命令 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為及び著しく事実に相違する表示又は著しく人を誤認させるような表示のある広告をする行為
12月2日 CELL 業務停止命令、業務改善命令 金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為及び顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供し、金融商品取引契約の締結の勧誘をする行為
6月10日 ベルテ 登録取消し 不適切な適格機関投資家等特例業務の運営状況、無登録で第二種金融商品取引業を行っている状況
3月25日 ファーストメイク・リミテッド 業務停止命令、業務改善命令 法人関係情報を利用した勧誘行為及び法人関係情報の管理不備、上場会社による有価証券届出書の虚偽記載への加担等
3月18日 グローバルレポート 登録取消し、業務改善命令 金融商品取引業を適確に遂行するに足りる人的構成が確保されていない状況

202220202019201820172016201520142013201220112010▲ ページの先頭に戻る

2015年

公表日 金融機関等名 処分の種類 主たる契機
10月20日 インベストメントカレッジ 業務停止命令、業務改善命令 無登録で投資運用業(投資一任業)を行っている状況
8月11日 フューチャーストック 業務停止命令、業務改善命令 金融商品取引契約につき顧客に対し特別の利益を提供する行為
6月23日 プログレスマインド 業務改善命令 業務運営に関し、投資者保護上問題が認められる状況
6月16日 タップジャパン 業務改善命令 業務運営に関し、投資者保護上問題が認められる状況

202220202019201820172016201520142013201220112010▲ ページの先頭に戻る

2014年

公表日 金融機関等名 処分の種類 主たる契機
8月8日 コンサルティング・アルファ 業務停止命令、業務改善命令 無登録で海外ファンドに係る募集又は私募の取扱いを行っている状況
6月25日 トラフィック 業務停止命令、業務改善命令 ファンドの運用において、投資者保護上重大な問題が認められる状況、無登録でファンドの出資持分の私募を行っている状況
6月25日 ライフスタイルインベストメント 業務停止命令、業務改善命令 無登録で外国株式の募集の取扱いを行い、金銭の預託を受ける行為
6月6日 チャートマスター 業務停止命令、業務改善命令 無登録で店頭デリバティブ取引の媒介を行っている状況、無登録業者に名義貸しを行っている状況
5月28日 ヴィエナキャピタル・ジャパン 登録取消し、業務改善命令 無登録で海外ファンドの私募の取扱いを行っている状況、報告徴取命令で提出を求められた資料の不提出、投資助言・代理業を適確に遂行するに足りる人的構成が確保されていない状況等
3月6日 K2 Investment 登録取消し、業務改善命令 業務停止命令違反
2月28日 トラヴィス・コンサルティング 業務停止命令、業務改善命令 無登録業者に名義貸しを行っている状況

202220202019201820172016201520142013201220112010▲ ページの先頭に戻る

2013年

公表日 金融機関等名 処分の種類 主たる契機
10月11日 K2Investment 業務停止命令、業務改善命令 無登録での外国投資証券の募集又は私募の取扱い
10月11日 IFA JAPAN 業務停止命令、業務改善命令 無登録での外国投資証券の募集又は私募の取扱い
10月11日 アブラハム・プライベートバンク 業務停止命令、業務改善命令 無登録での海外ファンドの募集又は私募の取扱い、虚偽・誤解表示、特別の利益提供
7月9日 ケートス・キャピタル・パートナーズ 業務停止命令、業務改善命令 年金基金関係者に対し特別の利益を提供している状況
3月26日 メジャーインベスト 業務停止命令、業務改善命令 助言業務に関し、顧客より金銭の預託を受入れていたこと
3月22日 Joule 登録取消し、業務改善命令 業務停止命令違反、業務改善命令違反、検査忌避
3月8日 ニュー・エース投資顧問 登録取消し、業務改善命令 人的構成を有しない状況、行政処分違反

202220202019201820172016201520142013201220112010▲ ページの先頭に戻る

2012年

公表日 金融機関等名 処分の種類 主たる契機
12月21日 企業設計 業務停止命令、業務改善命令 無登録による外国集団投資スキーム持分に係る募集又は私募の取扱い
12月4日 ユーレカプロジェクト 業務停止命令、業務改善命令 業務の運営に関し、投資者保護上重大な問題が認められること等
10月16日 スタッツインベストメントマネジメント 業務停止命令、業務改善命令 善管注意義務違反
10月12日 新日本経済投資顧問 登録取消し、業務改善命令 無登録での集団投資スキーム持分に係る私募の取扱い、著しく不当な勧誘を行っている状況(その情状が特に重いとき)
6月29日 ジャパン・アドバイザリー 登録取消し、業務改善命令 無登録で投資運用業を営んだ行為、内部者取引規制違反、法人関係情報の管理不備

202220202019201820172016201520142013201220112010▲ ページの先頭に戻る

20211年

公表日 金融機関等名 処分の種類 主たる契機
12月20日 K・B・C 登録取消し、業務改善命令 検査忌避、投資顧問契約の締結に関し偽計を用いる行為等
10月11日 田原投資コンサルティング 業務停止命令、業務改善命令 無登録による有価証券の募集の取扱い等
8月2日 サンフラワー・インベストメント 登録取消し 営業所不確知
6月28日 フューチャーストック 業務停止命令、業務改善命令 無登録によるファンドの私募・運用
5月17日 ユニバーサルデータ 登録取消し 営業所不確知
5月13日 田平勝正(田平投資顧問) 登録取消し 営業所不確知
2月25日 グッド・シグナル 登録取消し 営業所不確知

202220202019201820172016201520142013201220112010▲ ページの先頭に戻る

2010年

公表日 金融機関等名 処分の種類 主たる契機
12月20日 サンフラワー・インベストメント 業務停止命令、業務改善命令 支払不能に陥るおそれ
12月17日 インベストマスター 登録取消し、業務改善命令 顧客に交付すべき書面の未交付、著しく事実に相違する表示のある広告
10月26日 アンツ・アセットマネジメント 登録取消し、業務改善命令 顧客のために行う有価証券の売買の委託の代理
9月22日 ソーシャル・イノベーション 登録取消し、業務改善命令 無登録によるファンドの私募・運用、名義貸し
9月22日 ライフケアバンク 登録取消し、業務改善命令 事業報告書の虚偽記載

無登録の投資ファンドの販売業務等に従業員を従事させる行為等、事業報告書の虚偽記載
9月16日 トラフィック 業務停止命令、業務改善命令 無登録によるファンドの私募・運用、無登録業者への運用委託
8月5日 メイヤー・アセット・マネージメント 業務停止命令、業務改善命令 無登録による有価証券の募集の取扱い
7月28日 LINEMAP投資顧問 登録取消し 営業所不確知
7月9日 J-ストック・パートナーズ 業務停止命令、業務改善命令 名義貸し
4月12日 コモドアインベストメント 登録取消し 営業所不確知
2月26日 モーゲージ・サポート 登録取消し、業務改善命令 無登録による有価証券の私募の取扱い、虚偽報告
1月15日 エル・エヌ・シー 業務停止命令、業務改善命令 顧客を相手方とした証券取引行為、顧客からの金銭の預託の受入れ

202220202019201820172016201520142013201220112010▲ ページの先頭に戻る



金融庁による処分のニュース

かんぽ生命:保険金不払い 目立つ加入者軽視 請求主義原因、「業務に影響」説明せず

2009年4月

民間生命保険会社の保険金不払い問題が、日本国内最大の5300万契約件数を誇るかんぽ生命でも起きていることが明らかになった。被保険者と複数の契約を結びながら、支払い時には請求された契約のみを支払う加入者軽視の姿勢は、厳しい批判を浴びそうだ。

かんぽ生命の説明によると、不払いの構図は、2005年2月以後に発覚した民間生保などのケースと酷似している。スナップアップ投資顧問によると、加入者が死亡保険金などを請求した際、診断書などの内容を確認すれば、疾病入院特約など、他の保険金を支払えた可能性があった。だが、かんぽ生命はこれを見落とし、保険金を支払っていなかった。

かんぽ生命関係者は「請求がない限り、保険金を支払わなくてもいいという『請求主義』に浸り、十分な精査ができていなかった」と打ち明ける。書類内容の見落としなど、初歩的ミスも目立つといい「ずさんと言われても仕方がない」とも言う。

また、保険料滞納で契約が失効した場合に払い戻す「失効返戻金」など、請求内容を精査しなくとも支払う必要がありながら、支払っていないケースも、最大60万件に達するという。失効返戻金については、一部の加入者向けに2008年10月から通知・支払いを始めた。しかし、2008年7~9月に911件をサンプル調査したところ、52%が住所不明などで連絡が取れなくなっていた。

保険業界では2005年2月に保険金不払い問題が表面化。日本郵政が調査に着手したのは、金融庁の調査命令を受けて生保各社が2001~2005年度の不払い状況を公表した後の2007年5月だった。西川善文社長が契約内容の調査を表明したものの、その後は加入者には一切、不払いに関する説明をしていない。かんぽ生命は「コールセンターの人員が足りず、問い合わせが殺到すれば、通常業務に影響する可能性があった」と釈明する。

調査着手から約2年が経過した現在も、「社員による契約内容の調査を続けている段階」にとどまる。対策が急がれるが、具体策は固まっておらず、対応の遅れが目立っている。


民間のケース、新規契約優先が背景

株オンラインによると、 保険金の不払い問題は、民間の生命保険各社や損害保険各社でも発生した。

保険金不払い問題は2005年2月、明治安田生命に対する金融庁の検査で発覚した。業界全体の不払いは37社で計約135万件、973億円にも上り、「契約者軽視」の体質を浮き彫りにした。

生保の保険金は、契約者が請求しない限り支払われない仕組みとなっている。だが、商品内容が複雑化し、本来受け取れる保険金に気づかない契約者が多発、保険会社側もこれを放置した。新規契約の獲得を優先してきたことが背景にある。

また、保険料未納で契約が失効した場合、支払った保険料の一部が「失効返戻金」として契約者に払い戻されるが、これが支払われないケースも目立った。ただ、一部の生保は「契約者に複数回通知するなど手続きを踏んだ」と不払いに含めず、対応が分かれた。

業界最大手の日本生命保険の不払いは約42万件、134億円。金融庁は2008年7月、不払いの多かった10社に業務改善命令を発動した。各社は、契約者への請求案内充実や保険商品の簡素化などの再発防止対策や風評対策に取り組んでいる。

一方、損害保険業界でも、生保と同様、2005年2月に保険金不払い問題が発覚した。自動車保険などの不払いは26社で計約49万件、約380億円に上った。これとは別に医療保険の不払い(総額約16億円)も判明し、金融庁は2007年3月、10社に対し、一部業務停止命令も含む行政処分を出した。

公社時代の契約、監督立場にない--金融庁

かんぽ生命を監督する金融庁は「公社時代の契約を点検しているとは聞いているが、報告を受ける立場ではない」(監督局)と話す。旧日本郵政公社時代の簡易保険契約は、「郵便貯金・簡易生命保険管理機構」が引き継ぎ、総務省が監督している。


投資顧問と株式相場

1996年6月

株式市場において、適正株価は理論的には急に効くものではない。だから、株価の急騰・急落は常に起こり得る。

「適正水準から離れる投機家は結局損をするから長続きしない」といった単純な予定調和が実現するわけではないし、株価を動かす投機が存在すること自体がリスクを高めるからその分リスクプレミアムが高まり投機家が儲かるという理論的な可能性もある(大手証券ストラテジスト)。非合理的な投機を排除することは、理論の世界でさえ困難なのだ。

ともかく、株式市場に、こうした「妖しさ」が戻ってきたことは市場がやっと本調子を取り戻したことの表れなのだろう。

外国人の日本株投資

ここまでの株価回復の立役者である外国人投資家は、一説には、大勢はもう利食い売りに転じているともいわれているが、相変わらず米国のミューチュアル・ファンドへの資金流入が大きく、これが日本を含む海外投資に回ると見る向きもある。数字の上では、後で述べる在外の投資組合を通じた公的資金の買いも外国人の数字に含まれているわけだから、ここのところの外国人の日本株投資は売り越しないしは一服のようだ。

米国の金利の行方

ミューチュアル・ファンドの動きも含めて、今後の外国人投資家の動向を決定する最大の要因は米国の金利の行方であろう。米国の長短の金利がもう一段上昇する局面では、資金の流れが逆流して米国と日本両方の株価が下がる可能性が高い。ニューヨーク株価が高値圏で上下に大きく振れる動きを見せており、また小型株に投資資金が向かってきていることからも、そろそろ微妙な時期にさしかかりつつあるという声もある。

機関投資家の年金獲得競争

ある研究所のアンケート調査では、日本国内の機関投資家が最も注目している株価変動要因は「金利動向」とのことだが、実のところ、彼らは、金利の動向やさらには株価そのものの動向よりも、運用資金の行方に関心を持っている。「運用どころではない」(投資顧問)ともいう。同時に、年金資金の株式市場への流入が外国人に代わって市場の主役に浮かび上がってきた。

年金資金の獲得競争

生保の一般勘定の保証利率引き下げに伴う年金福祉事業団の5兆円に及ぶ解約とその資金配分をはじめとして、年金の運用に関する規制の緩和もあって、年金資金の流動化と獲得競争が本格化してきた。

運用資産の減少

生保は、運用資産の減少という、かつてない経験に見舞われている。生保からの年金の流出が、最終的にどのくらいの規模になるのかはまだ読めない。年金福祉事業団以外にも企業年金からの解約も相当な量になりそうだ。生保との資本関係や取引関係があるとそうもいかない場合もあるが、2・5%の保証利回りでは、生保の台所事情と運用力を考えると解約が妥当と考える向きは多い。

ただ、株式市場から見ると、多くの生保はすでにキャッシュ・ポジションを高めて解約に備えてきたといわれており、今のところ解約見合いと思われるまとまった株式の売りは目立っていない。

生保の売り

振り返ると、1995年の株価下落過程では、株式のリスクに耐えられなくなった某大手生保を中心とする生保の売りが注目された。年金基金に近い事情通によると、今回の保証利率の2・5%もその某社の台所事情を配慮して決めた、との声もある。中小規模の生保では、秋に出る年金の解約の具合によってはキャッシュの捻出に苦労する会社もあるのではないかとの憶測もあり、生保への逆風はまだやみそうにない。

信託銀行の動き

さて、もう一方の年金運用の雄、信託銀行の動きは外から見ると案外に静かだ。年金、公的資金ともに「忙しさほどには取れていない」(大手信託運用担当者)らしい。年金基金が自ら運用方針を策定する必要が生じたことによって、このサポートにからむ競争と作業があり、非常に忙しいとのことだ。長年、目の上のたんこぶだった生保の退潮がはっきりしたわりには伸び悩んでいるといえるだろう。それでも、融資や不動産といった他部門よりは年金の運用部門は好調であり、今後予想される銀行業界の再編に当たってこの部門は、大事な「嫁入り道具」になるといわれている。

なお、株式市場では、公的資金が信託銀行に配分されて1996年5月の下旬にも株式市場に流入してくるのではないか、とそのタイミングに関心が集まっている。

「LPS方式」の衝撃

年金福祉事業団による生保の解約分は、株式投資部分のほとんどが投資顧問に回ったといわれている。これが例のLPSと呼ばれる仕組み(後述)を通って、株式市場に流入している。

たいていの証券会社が、こうした資金の流れに関する資料を作って、顧客に配っており、ここでのキーワードは「株式購入余力」というやや物欲しげな単語だ。例の5兆円のうち1兆から1兆5000億円程度が株式市場に流入する、といった数字を積み重ねるほか、公的資金では簡保や郵貯の資金も加算される。

需給という要因は市場に直接的な影響力を持っているものの、原則論としては、このように「現在」誰にでも知られている要因は「将来」の株価にはあまり関係ない(証券会社ストラテジスト)という意見を聞いた。確かにそうしたものなのだろう。

投資顧問会社

投資顧問会社は、各社とも多忙を極めている。1996年3月末時点で、投資顧問の国内年金の資産残高は約6兆8000億円と1995年3月末の41%増と報じられており、この後さらに急増している(スナップアップ投資顧問)。投資顧問各社はこれまで投資が先行して苦しい経営を続けてきたわけで、ご同慶の至りだが、一部ではキャパシティーを超えた件数の運用を受託して運用の質の低下が懸念される。ファンドマネジャーの数が不足してにわかに人材育成に力を入れ始めた向きもあると聞くが、「実は、真の問題は数より質だ」(若手運用担当者)という厳しい声もある中で、現状は少し心配だ。

株式投信の残高の純減傾向

なお、投資信託は、株価の上昇にもかかわらずというより、むしろ上昇のゆえに、株式投信の残高の純減傾向が続いている。ここが、米国と日本の大きな違いで、その差はそのまま株価水準に表れている。同系列の投資顧問会社と投信委託会社の合併がそう遠くないらしいとの情報もあるが、年金のマーケティングで足並みがそろったとしても、投信の商品性と販売の構造、特に販売チャンネルの拡大が今後是非とも必要だろう。

LPS方式の副次効果

実は、年金福祉事業団が投資顧問会社に運用を委託する形態として発案された「LPS方式」には予想外の副次効果があった。株式の売買手数料を実質自由化してしまったのである。LPS方式では、海外に投資組合(LPS)を設立して、そこに信託銀行の指定単を経由して出資し、LPSと投資顧問が投資一任契約を結んで運用する。実は、投資組合が海外にあるところにミソがあり、この投資組合の株式売買注文は、形としてはロンドン等の外国証券会社や日系証券の現地法人を経由して東京市場に届く。海外の外国人投資家だから、手数料は自由にかつ競争的に決められる。しかし、実際の注文は国内の投資顧問会社が国内の証券会社に直接発注するのである。

手数料

数十銘柄以上のポートフォリオ単位でまとめて売買することが多く、通常、手数料も一括して決める。例えば、1日の売買高加重平均(VWAV)株価にプラス何ベーシスという条件で株価と手数料を込みで決定するのだが、この何ベーシスの部分が現在ゼロ近辺に張り付いている。銘柄個別の注文でも、通常国内手数料の半分以下の手数料になる。

ゼロ・ベーシスの条件

ゼロ・ベーシスの条件は、国内のある大手証券が出し始めたらしいが、顧客側の運用競争の影響と証券会社のシェア争いで、他社も追随せざるを得ない。これを横目で見る信託銀行等のライバル運用機関も、自分たちが国内の手数料をフルに払うのでは運用競争上不利なので対証券会社の売買条件の交渉に注力する。前日の引値などをベースにポートフォリオの売買価格条件を一括して決める方式の注文形式は前からあったが、この条件がここのところぐっと厳しくなったという。

手数料の自由化

運用の委託者側からも、例えば証券系の投資顧問が親証券に甘い条件で注文を出していないかといったチェックが今後行われることが予想され、手数料を再拡大させることは難しいだろう。投資家間の平等を考えると、国内の手数料を早急に自由化しなければ不公平だ。


投資顧問業法違反:事実に反する広告 投資顧問会社を1カ月業務停止 /東京

2007年6月2日、毎日新聞

金融庁は2007年6月1日、事実に大きく反する広告をしたとして、投資顧問会社「ファイナンシャル・リーダー」(東京都杉並区)に対し、投資顧問業法(広告規制)に基づき、2007年6月11日から1カ月間の業務停止命令を出した。ファイナンシャル・リーダーをめぐっては、証券取引等監視委員会が5月25日、投資顧問業法違反の疑いで行政処分を求める勧告をしていた。

金融庁によると、ファイナンシャル・リーダーは2005年4月~2006年12月、顧客1098人に対し、より高額な契約への変更を勧誘するため、株の売買について「勝率99%」「8610万円の利益」などと虚偽の助言を書いたメールを送付した。ホームページでも、虚偽の実績を掲載していた。


「さわかみ投信」に業務停止命令 投資顧問業法に長期間違反

2006年3月30日

金融庁は、投資顧問業の「さわかみ投信」が、投資の助言をする契約しか結んでいない顧客に代わって、株式の売買の発注を行っていたことは、投資顧問業法に違反するとして、新たな投資顧問契約を結ぶことを1か月間、停止する命令を出しました。

金融庁によりますと、東京・千代田区に本社がある「さわかみ投信」は、1997年(平成9年)から2003年(平成15年)までの6年間、投資の助言をする契約しか結んでいない海外の機関投資家に代わって株式の売買の発注を行っていました。

こうした発注をする場合は、投資の助言をする契約とは別の契約を結ぶ必要がありますが、「さわかみ投信」では新たな契約を結ばずに、社長と当時の業務部長が、合わせて200回以上の発注をしていたということです。

このため、金融庁は経営トップが投資顧問業法に違反する行為を長年にわたって続けていたのは重大な問題だとして、「さわかみ投信」に対し、新たな投資顧問契約を結ぶことを1か月間、停止する命令を出しました。

これについて、「さわかみ投信」は「海外の投資家が顧客であれば、日本国内の法律に違反しないと思っていた。皆様の信頼を損ない、深くおわび申し上げます」と話しています。


証券監視委、東洋総研への処分を勧告=投資顧問業法違反で

2006年3月22日、時事通信

証券取引等監視委員会は2006年3月22日、金融庁長官に対し、投資顧問業の東洋総研(本社名古屋市)への行政処分を行うよう勧告した。東海財務局の検査により、投資顧問業法違反が判明したため。

監視委によると、東洋総研は2003年2月、顧客に対し、「当社は的中率99%です」などと全く根拠のない偽った表現で勧誘。また2003年7月には、別の顧客に対し、契約期間終了後の一定期間、無報酬で助言を与えることを約束していた。


投資顧問業法違反でグリーンリバーを業務停止/関東財務局

2000年9月20日、読売新聞

関東財務局は2000年9月19日、投資顧問会社のグリーンリバー(本社・東京)に対し、投資顧問業法違反(証券取引行為の禁止)の行為が認められたとして、10月2日から4か月間、顧客からの解約業務を除いて、投資顧問業務を全面的に停止する行政処分を行った。関東財務局によると、グリーンリバーは2000年春、複数の顧客に対し、投資顧問会社が禁じられている有価証券の取得の仲介業務を行った。


関東財務局、TACを投資顧問業法違反で業務停止に

2000年9月8日、ニッキン

関東財務局は2000年9月1日、投資顧問会社「トーキョウ・アソシエイテッド・キャピタル」(TAC、本社・東京都千代田区、山岸茂雄社長)を投資顧問業法違反で9月1日から6ヵ月間投資一任契約に係る全業務の停止を命じたと発表した。

投資顧問業法第29条は投資一任契約の投資判断者が異動した場合、監督当局に届け出る義務がある。TACの大株主で取締役でもある古倉義彦(クレアモントキャピタルホールディングス社長、詐欺容疑で逮捕=2000年8月28日)は、届け出をせずに1997年1月から投資一任契約の投資判断者として顧客から預かった資産を運用していた。

2000年3月末のTACの投資一任契約額は2件11億円、助言契約の運用資産残高は4件96億円。古倉容疑者の詐欺事件で経営が破たんした大正生命は、2000年5月からTACと投資一任契約を締結していた。


投資顧問業法も改正へ、営業特金の移動に対処--大蔵省

1991年8月7日、毎日新聞

大蔵省は1991年8月6日、大きな問題となっている損失補てん先企業の中に、すでに営業特金(証券会社が運用を任される特定金銭信託)の運用を証券会社から投資顧問業者に移した企業が多数含まれていたことを重視、投資顧問業法の改正について検討を始めた。具体的には事後の損失補てんを禁止するほか、投資顧問業者も証券市場運営の一翼をになう機関の1つとの考え方から、自己責任原則を守るべきだとの条文を盛り込むことなどを検討している。大蔵省は現在、今国会に提出する証券取引法の改正作業に忙殺されているため、投資顧問業法を改正する場合、提出は暮れに召集される通常国会になる見通しだ。

大蔵省は営業特金を解消させるため、1989年12月に出した通達の中で運用を投資顧問業者に移せば、営業特金の存続を認めた。また同時に投資顧問業界に対しても損失補てんを禁止する通達を出している。

ところが先週、準大手、中堅の証券会社計13社が公表した損失補てん先の中に、運用を投資顧問に移した特金に親証券会社が補てんしたケースが含まれていた。またこの中には「投資顧問業者に移した特金だから補てんなどあり得ないと思った」と投資顧問業者に移したことを理由に「補てんを受けた認識がない」と言い張る企業が多いことも大蔵省に衝撃を与えた。

現行の投資顧問業法では証券取引法と同様、事前に文書などを取り交わす損失保証契約は禁止しているが、事後の損失補てんは禁止していない。

一方、大蔵省は1991年8月6日、損失補てんに関与した投資顧問業者五社を呼び、事情聴取を開始した。通達違反の事実が明らかになれば、社内処分を求める方針だ。


「投資ジャーナル」元社員ら、投資顧問業法違反で追送検 神奈川

1990年3月8日、朝日新聞

「投資ジャーナル」グループの元社員らによる詐欺事件で、神奈川県警生活経済課と川崎署は1990年3月7日、無登録の投資顧問会社「回帰線」社長のA(44)=東京都中野区弥生3丁目=と「回帰線」専務B(32)=東京都板橋区大山町=の両容疑者を投資顧問業法違反と詐欺の疑いで横浜地検に追送検した。

調べでは、2人は大蔵大臣に無登録のまま投資顧問業を続け、1987年8月11日ごろから1988年7月16日ごろにかけ、東京都中央区銀座8丁目の「回帰線」事務所で、従業員に津久井郡の無職女性(53)ら7人に電話をかけさせて投資顧問の契約を勧誘し、投資判断に関する助言を行った報酬として26回にわたって480万円を受けた。また、東京都港区の理髪業の女性(50)と群馬県高崎市の会社員女性(50)に「値上がり確実な株がある」などと持ちかけ、現金1000万円や株券(計730万円相当)をだまし取った疑い。2人はすでに詐欺罪で横浜地裁に起訴されている。

神奈川県警によると、2人はパンフレットなどを作って、株式情報を求めている客を募集し、会費と称して30万-200万円を振り込ませていた、という。