金商法の法執行体制

規制・投資家・訴訟で総合監視

金融商品取引法は、いわゆる昔タイプの“お上による行政”、すなわち「公権力の行使による行政」だけの法律ではない。

投資顧問業協会などの自主規制機関

金融商品取引法のエンフォースメント(法執行)には、取引所の役割、日本証券業協会や投資信託協会、投資顧問業協会、金融先物取引業協会などの自主規制機関の役割、投資家自身の監視の目、ミニマムとして最低限度満たしてもらうものとしての国の権限といった、総合的な仕組みが必要だ。そういうものを極力、全体として整備するようにしている。

自主規制機関

例えば自主規制機関では、証券業協会のような、いちばん体制が整備された団体をモデルに、投信協会など他の協会も同程度のことをする必要がある、ということを法律上明記し、高いレベルの自主規制機能を果たしてもらうよう目指している。

クオリティーの高い市場

取引所で言うと、自主規制機能が組織的に独立できる仕組みをつくっており、株式会社という営利組織でも、公益性の高い自主規制機能を発揮できるようにサポートする法律上の様々な規定を、整備している。また、先程申し上げた民事訴訟の規定も使えるように、いろいろと手を入れている。こうしたそれぞれの役割に、金融商品取引法のミニマムスタンダードを組み合わせて、よりクオリティーの高い市場を目指していく。

市場仲介機能に関する懇談会

自主規制機能では、2006年、金融庁監督局が中心となって有識者で構成された「市場仲介機能に関する懇談会」を開催した。懇談会では、市場のクオリティーを高めるための広範な課題について自主規制団体に検討を要請した。それを、日本証券業協会を中心に検討してもらっており、いろいろな成果、ルール、自主規制を考えていると聞いている。そうしたものも相まって(自主規制機能が構築される)ということだ。

特にクオリティーを高めるには、公権力でやること以外に、(業界や各社が)自主的にやることがたくさんある。それも非常に重要だし、期待されている。